楽しい歌の手ほどき。
なんだかワクワクするネーミングですよね。
これは、今月2回目の訪問となった、岩手県大槌町の高齢者の方々集い。
楽しく歌を教えてほしい、という依頼を受けて伺ったのですが、ある参加者の方が手書きで作って書いてくださったチラシのタイトルです。
「手ほどき」という言葉を久しぶりに見た気がしますが、なんて美しい日本語なのでしょう。
調べてみたら
学問や芸術、または仕事などにおいて、その初歩的な部分や入門的な事項について説明すること。
「手解き」と書く。
だそう。引用 :Weblio辞書
こうやって意味を調べると少しばかり硬い印象もありますが、「手ほどき」または「てほどき」とかくととてもやわらかく親しみやすく感じられますね。うん、言葉って不思議。
フェルナンデスではなく、フェルナンデル、、と書いてあるのはご愛嬌^^
そんなおとーさまおかーさま方の世代の方に楽しい歌の手ほどき、、させていただきました。昔から歌が好きだという方もいれば、震災後はじめて歌を始めたし、カラオケもやってみた、というかたもおります。
でもこの集まりで皆で顔を合わせて歌うことはこの上無い楽しみだ、とこのチラシを作ってくださったSさんが仰っていました。
そのSさんは大槌町で45年中華料理のお店をやっていたそうですが津波で流されてしまったとのこと。今回のレッスンでは私の説明の一つ一つに大きな相槌をくださりメモを取っておりました。 めったに聞けない話を聞かせてもらって本当に勉強なったととても喜んでくれて、ホッとしました。
いつもと年齢層が違う方々がお相手とは言え、声をだす基本、歌う基本、お伝えすることは変わりません。
しかし、やれることには制限もあるし、表現する言葉はいつもの通りとは行かないのです。体力や運動能力のレベルは若い世代のそれよりずっと個人差が激しいので、ストレッチは出来ないし、立つことは無く座ったままのレッスンをします。ハモる、ソプラノ、アルト、という言葉は伝わりにくいので「高音と低音で声を調和させる」などと言ったり、例として出す歌は、『津軽海峡冬景色』で、となったりします(笑
指導するこちら側が知恵を絞り工夫を重ねる必要があったので、本当に良い勉強になりました。
発声はスポーツであるし、身体が楽器です。少しずつ思い通りに動かしにくくなる身体を抱える年代の方には若干難しい箇所もあったかもしれません。が、歌はとにかく楽しいもの。まずは得意なところから続けてその楽しさを味わってほしい。そして、出来ないところが出来るようになったらもっと楽しいので、楽しみながら今日伝えたことを少しずつ思いだし挑戦してみてほしい。そう伝えました。
これはどんな年代の方も同じです。まずは歌の楽しさ気持ちよさを味わうこと。十分そこを満喫したら苦手な所にトライしたくなるはずです。また、どうしても気持ちよく声が出せない箇所に「もっとこういうふうにだしたい」という欲がか出てくるはずです。その時に、必要なトレーニングを焦らず続けていくこと。一歩ずつ、一歩ずつですー!!