間違った腹式呼吸はもう終わり。正しい方法で歌力UP!

こんにちは 東京新宿・大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子です。

歌のためだけではなく、健康のためなどにも良いと認識されている腹式呼吸。

しかし、そんな健康的で良い声に欠かせないもののはずなのに、
実際に腹式呼吸をしている、というひとの姿を見ると非常に苦しそう、、ということってかなり多いです。

あまりに多くの人が腹式呼吸に間違った認識を持っています。
でもそれも仕方がないことかもしれない。。

というのは、腹式呼吸についてのWEB情報では間違ったものが多いから。
まとめサイトやボイトレサイトでは間違った情報を堂々と書いてあるところも少なくありません。
(ボイトレサイトではなく、医療サイトの方がずっと確実。)

 

ボイトレは色んな先生が自分が捉えやすかった感覚を、自らの語彙と表現力で説明しているのが普通です。
ですのである意味、間違いはありません。自分はそれで出来たわけだから。

でも理論には表現力も言い方も関係無く、確実な『正解』があります。
腹式呼吸は、解剖学や物理的な側面があるのでもちろん『正解』があります。
それを間違えてたら、やっぱりだめだよね。。

さあ、ここできちんと正しい腹式呼吸を学びましょう!

「理論や理屈はすっ飛ばしてトレーニング方法だけ知りたい」という方は、「5 腹式呼吸のためのトレーニング」の項目を御覧くださいね。

ただ、理論や理屈がトレーニングをしっかり理解し認識するための大きな手助けになるので、ぜひ、全項目を読んで頂けたら嬉しいです!

そもそもなんで腹式呼吸が良いとされるのか

歌う時はなぜ腹式呼吸が必要か

ボイトレで「なぜこの練習を行うか」のかという意図や目的がわかっていることは
上達のスピードをぐんと上げてくれます。

曖昧にしたままの人が多いですが、ここはクリアにしておきましょう。

歌に関しては、呼吸がトリガーとなって声帯の振動を促し音が出ます。
バランスの良い一定の呼気を安定して送り込むことが、安定した声には不可欠です。

また、音量、音圧を変えるのも腹式呼吸が大きな役割を果たしています。
安定したロングトーンや強めのファルセットボイスなども、吐く息と胸郭の支えがあるからこそです。

ちなみに音程を変えるのは声帯ですし、音色を変えるのは共鳴器官です。
腹式呼吸とは直接的に関係ないですよ。

ただ、呼気のバランスを整え安定した声を出すことが次に続く大きな基本となるので、
安定した音程や豊かな音色のための土台とは言えるはず。
とにもかくにも声の土台です~

さて、しかし歌だけではなく、腹式呼吸のメリットは他にもあります。

腹式呼吸が健康に良い理由

腹式呼吸のメリットはダイエットや健康効果を考える方も多いでしょう。
歌のトレーニングをしてる方には大きすぎるほどの副産物!

◀内蔵マッサージでダイエット効果▶
横膈膜の上下運動により内蔵が押しつぶされ血流を良くするそうです。
また、横膈膜は非常に大きな筋肉なので、それを動かすと代謝も良くなり脂肪燃焼にも効果があるとか。
インナーマッスルも鍛えられます。

◀冷えや肩こりの解消▶
凝りは血行不良によって起こるものですが、横膈膜の上下運動によって血行がよくなるので、
冷えや肩こりなどにも効果があるそうです。
ちなみに、後述するトレーニングをするとめっちゃ身体が熱くなります!!

◀自律神経を整える▶
正しい腹式呼吸をすることによって、副交感神経を優位にさせ精神を安定させることができるし、
また呼吸という一定のリズム運動は、体内からセロトニンという神経伝達物質、
いわゆる幸せホルモンが分泌されるそうです。

自律神経を整え、免疫力をアップさせるのに一役買っている、ということですよね。

こんな健康にも高い効果やメリットがあるんだったら、やっぱり正しい腹式呼吸を覚えたいもの。
大人の我々、健康にも留意したいお年頃ですものね!そんなふうに思いませんか?

正しい腹式呼吸

腹式呼吸ってどうやりますか?

新規でレッスンに来た生徒さんには必ず、腹式呼吸について学んだことがあるか、
また学んだとしたら何を学んだかを確認させてもらっています。

そうすると、学んだにも関わらず、

なんとなくわかってるけど口ではうまく説明できない、とか
いや、そもそも全然覚えてないとか、
ものすごく難しいと思ってるとか、
また覚えているけど全然違うことをやってるとか、
という人がほとんどです。

正しい腹式呼吸とは

結論から言いますが、呼吸とは、気圧の変化による空気の出入りです。

肺は風船と同じで筋肉がないので、周りの筋肉が動くことで肺の容積が増減し、
その時に内部の気圧も変わって空気がでたり入ったりします。

腹式呼吸というのは、その時に主に横隔膜を使う呼吸のことです。
横膈膜とは、肋骨の下についている、身体を真っ二つに分けるドーム状の筋肉のこと。
横隔膜の上下運動で、肺の容積を変え気圧に変化を起こしてるのです。 


横膈膜を下に下げる(お腹が出た状態)と、
肺も下側に広がっていき肺の容積が大きくなり、気圧が下がります。

空気は、気圧の高い方から低い方に自然と流れていく性質にあるので、
より気圧の高い外部の空気が勝手に気圧の低くなった肺の中に流れ込んでいくのです。

これが腹式呼吸です。

具体的なやり方は後述しますが、を
トレーニングとしては、横膈膜を下げる前に、
まずはしっかり空気を吐いた状態、横膈膜が上に上がっていてお腹はへこんだ状態からスタードです。

シューッと息をたっぷり吐き、その後、へこんだお腹を元に戻して緩めます。
お腹が出てる状態ですね。この時気圧が下がります。そうすると、勝手に空気は入ってきます。

決して吸おうとしなくてOK。息は止めずに。自然にしててください。それで必ず入ります。

息を吐く⇨横膈膜を下げる(お腹を緩める)⇨空気が勝手に入ってくる。
これがめちゃくちゃ大切です!

腹式呼吸の勘違い

NG1 「はい、息を吸って〜」は無し!

正しい腹式呼吸は横膈膜の上下運動によって行われてる、というのは上に書いたとおり。

横膈膜は自分の意志で動かすことができる随意筋というもの。
ちなみに、寝ている時の無意識のときにも動くのは、脳の延髄からも指令をもらっているからだそう。

大事なのはその横膈膜をしっかり動かせるか、ということ。
意識的に「吸おう」とする必要はないのです。

実際に意識的に息を吸おうとすると、多くの場合胸式呼吸になります。

腹式呼吸と胸式呼吸の違い

何度も言いますが肺は風船と同じで自分の力では動かすことができないもの。
筋肉がないからです。

そのために周りの筋肉がサポートして肺を動かして肺の中の気圧を変え呼吸が促されてるのです。

その時、主に横膈膜を使って気圧の変化を作るのが腹式呼吸。
主に胸周りや背骨、脇腹などの胸郭周りの筋肉を使って気圧を変化させているのが胸式呼吸。
走ったあとに、はぁはぁ言ったりする呼吸、ありますよね?あれです。

胸式呼吸は、いっぺんにたくさん空気が入るしいっぺんにたくさん出ていきます。
いっぺんにたくさん出てしまっては呼吸のコントロールができないので歌には不向き。

また、胸周りは声帯に近く、筋肉運動が起こると声帯も緊張するなど影響を受けやすいので、その点からも避けたいところです。

NG2 空気が入ってお腹が膨らむ

時々、腹式呼吸に関する記述で「空気が入ることによって、お腹が膨らんでいきます」
と書かれてる記事を見ますが、これは全くの逆。

もうわかりますよね。
お腹が膨らむから、つまり横膈膜が下がるから肺が大きくなり、肺の気圧が下がって空気が入るんです。

横膈膜が下がることが先なのに息でお腹を膨らませようとすると、
どうしても疲れてくるし吸気の量も制限されてしまいます。

正しい腹式呼吸はそんなに疲れるものではありません。
むしろ楽。その上とっても簡単なのです。

NG3 腹筋を鍛えよう、の罠

歌には腹筋が大事というのはよく聞く話。
腹式呼吸がうまく出来ないから腹筋を鍛えていた、という生徒さんも少なくありません。

しかしここが落とし穴。

いわゆるシットアップの腹筋をしても意味はありません。↓

 

 

 

 

横膈膜はもともと吸うための筋肉で、吐くための筋肉ではありません。
なので、吐く時(お腹が凹んでいる時)に頑張っているのは、腹横筋や骨盤底筋群。

これらのお腹の下の方の筋肉が横膈膜が上にあがり吐くのを手伝ってくれているのです。

なので、やるべき腹筋運動は足上げ腹筋!
この写真のように足を動かさなくてもいいけれど、足は床から45度位上げて1曲歌える位にしましょう!

こちらもご参考に

腹式呼吸の疑問あれこれ

腹式呼吸は鼻から口から?

歌のための腹式呼吸をトレーニングしている時は、多くの人が疑問に思うこれ。
実際のところ、『鼻から吸って』と指導しているボイストレーナーが多いです。

正直、上手く発声のタイミングが取れればどちらでも良いと思いますが、私は口からを推奨してます。

なぜかといえば、鼻から吸おうとすると、どうしたっても口は閉じるんですよ。
細かいブレスのたびに口を閉じて鼻から吸うのって、顔が忙しくなって、変です(笑)
それに、口を閉じる時の唇や顎の動きによって余計な破裂音が出たりもします。

フレーズとフレーズんの間ゆっくり呼吸できる時は、口を閉じて鼻から呼吸をしても良いですが、
いわゆるフレーズ中の『ブレス』のときは口でするほうが自然。

ま、実際のところ鼻の穴は常時開きっぱなしの「穴」なので、(超絶な鼻づまりでもない以外)
口を開けて腹式呼吸をしたら、口と鼻の両方からはいってくるはずですね^^

腹式呼吸のトレーニングの時も、口を開けた状態をキープした方が実際に歌う時もスムーズですので、ぜひ口を開いて練習することをオススメします。

平常時から腹式呼吸を意識しておく?

普通にしている時は、胸式呼吸ではなく、通常は横膈膜を使った呼吸になっているはずです。
ただ、歌うときほど横膈膜は深く下方に下がっていないし(吸う時)、
吐く時も骨盤底筋群や腹横筋などの下腹部にさほど力を入れていないと思います。

緩やかな腹式呼吸、というか、横膈膜呼吸、、といったところです。

平常時においては意識しなくてもこの呼吸になっているはずですが、呼吸が浅いなと感じるなら、
身体の緊張やコリで胸郭が狭くなり肺にちゃんと空気が入ってない可能性もあります。

その場合はしっかり身体をほぐす、ストレッチをする、などの対応をし意識的な腹式呼吸を心がけたほうが、
心身ともにリラックスをしていけるはず。

歌は身体が楽器、きちんとメンテナンスされているからこそ最大限の力を発揮できる。
呼吸はその最初のケアとさえ言えるので、普段から腹式呼吸を意識していたほうが歌い手には良いかもしれません。

腹式呼吸のためのトレーニング

ま、具体的な理論はわからなくても問題ありません。何はともあれ実践トレーニングが大切!

1.横膈膜の上下運動をスムーズに

まずは基本の横隔膜の上下運動をマスターしましょう。

  1. おへその下10-15センチくらいを少しずつ身体の中心に向かって押しながゆっくり息を吐く。
  2. 吐ききったら、お腹を押してた手を緩めお腹を戻す、緩める。
  3. そうすると勝手に空気が入って来るので、それを感じる。

声をしっかり支えて行くためにはこれだけでは不十分ではあるのですが、
まずはこれで、疲れない正しい腹式呼吸をマスターしましょう。

腹式呼吸のトレーニングが上手く出来ない場合

このトレーニングがうまく出来ない理由は2つあるようです

1.  冷えや便秘で内臓が固くなってしまっており、横膈膜を下げられないこと。

腹式呼吸をでお腹がでるのは、下がった横膈膜が内蔵たちをブチュッと押しつぶすから。
ベチャッと潰される内蔵たちが固いと、横膈膜はそれ以上下に行きません。
そして肺の気圧もさがらず上手く呼吸も入ってこない、ということになります。/p>

2.シックスパックにあたる腹直筋や腹斜筋を鍛えすぎて横膈膜が下がりにくい場合。

特に男性に多いようです。だから、腹筋も一つ間違えるとむしろ妨げになるのです。
大事なのは腹横筋と骨盤底筋群です。

 

1,2のどちらのパターンがない場合でも、最初は上手くコツがつかめなかったり、
そもそもの運動量が足らずに横膈膜を上手く動かせないこともあります。

諦めずにトレーニングしてくださいね。

2.吐く力を鍛える

1のトレーニングを習得して疲れない腹式呼吸ができるようになったら、
吐く力を強化させることにも注視していきましょう。安定した声には欠かせません。

横膈膜は元々吸うための筋肉ではないので、
吐くためには下のほうの腹筋を鍛える必要がある、というのは先程書いたとおり!

足上げ腹筋をしてしっかり鍛えていきましょう。

それともう一つ。呼吸とともに下腹部を強化するトレーニング方法があります。

機関車トレーニング

1でやったトレーニングを早くやります。
そして3回目で伸ばすのです。

  1. お腹を押しながらシュッと息を吐き直ぐお腹を緩めて戻す、
  2. 次も同じようにシュッ。
  3. 最後はシューーーーーと伸ばします。

シュッ・シュッ・シューーーーー
シュッ・シュッ・シューーーーー
シュッ・シュッ・シューーーーー

と繰り返し10回以上できるように。早くなったり遅くなったり呼吸が乱れたりせず、
リズミカルにテンポ良く進めていきましょう。

なれるまではお腹に手を当ててサポートしてあげて下さいね。

コツはシュッとしっかり歯の間から息を吐いてあげること。
それと、下腹部から中心軸を通って上に向かう力を感じること。
なるべく力強い「シュッ!」ができるようになるまで頑張りましょう。

腹式呼吸のまとめ

色々細かく書いていきましたが、大事なのは「無理して吸おうとしない」ということ。
横膈膜が勝手にやってくれるのです。

私達の身体は完璧に出来ています。それをどう使うかは持ち主次第。
是非あなたの横膈膜さんを信じて下さいね!

 

自分の歌いグセがわかる体験レッスン詳細はこちら

 

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