こんにちは!ボイストレーナーのフェルナンデスユウコです。
リサーチをすればするほど多くの人が悩んでいる課題がこれ。
高い声をしっかり地声で出したいけど出ない!
数千もの歌声の変化を聴き続けてわかったのは、これはおおままにですが4つのタイプに大まかに分けられます。
①喉をぐっと詰めてしまい全然出ない
②その高さはでるけど裏声になってしまう
③声がひっくり返ってしまう
④全体的に柔らかい声でその高さも出るけどパワーがない
今回のこのブログでは、この4つのタイプに分けて、それぞれ高い声が出ない原因と、そんな人がやるべき練習方法をお伝えします。
こちらは同じものをYouTube動画にアップしています!動画の方がよりわかりやすいと思うので是非チェックしてくださいね!
今の自分のタイプだけじゃなく全ての解説を是非ご覧ください。練習していくうちに少しずつ発声が変化して悩みタイプが変わることもありますからね!
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高い声が出ない原因は4つのタイプに分けられる
①高い声を出す時喉をグッと詰めてしまう
高い声を出そうとすると喉をぐっと詰めてしまい苦しくなって高い声が出ないパターンです。無理してなんとかでても、張り上げて苦しそうな声、がなるような声になってることもあります。
これは若い人や男性に多い傾向ですね、私も20代の頃はこれでした。
こういう出し方をする人は触ってみると喉仏が上がってると思います。
試しに唾を飲んでみて。その時喉が上がりますよね、高い声を出すにつれて喉周りに力が入って喉仏があがっちゃうんですね。
高い声に限らずですが、簡単に言うと声はここの喉仏の内側にある声帯のひだが振動して音がでます。大事なのは程よい呼気の圧力と、バランスの良い振動を起こすための筋肉のリラックス。
ぐっと固めてしまっては声帯が必要な振動を起こせなくなってしまうし、高い声を出すための声帯のヒダの伸展も起こせなくなっています。
ですので喉まわりの力みとそこに伴う喉仏の過度な上昇を避けたい。ではなにをすればいいのか。
高音で喉をぐっと詰めてしまう人がやるべき練習方法
2つやってみましょう。
1つめはあくびからため息です。あくびをするのはのどぼとけがさがります、やってみてください。
喉の奥がぐっと広がるかんじですよね。そこからはあああととため息をつきましょう。
なるべくいきっぽくないため息にしたいので「はあああ」ではなく「あああ」のほうがいいです。
喉仏は優しくおさえたまま。
それがうまくできてきたらそのまま滑らかに音程を上げていきます。
イメージで言うと優しく「あーーー」と言うのではなく、ヤンキーがヤンキー座りをして因縁をつける時のアレです。「あああああ〜〜⤴️⤴️⤴️😎」って。
なるべくイヤーな感じでいやらしくゆっくりいきましょう。
それでできるだけ高い方まで上がっていってみてくだささい。で、高くなると喉仏が上がりたくなると思うのですが、そこは押さえて残っておく。音程は上がるけれど、声は下に向かおうとイメージするとやりやすいです。
まずこのポジションで慣れていく。これで結構高い方までいくならそれでOK。
少しずつ因縁をつける「あ〜〜⤴️⤴️⤴️」のしつこさを増していってください(笑)
それでも上手くいかない時はもう一つの練習です。
2つ目の練習としては、喉周りを緩めることに慣れるため、声を出す代わりに息をゆっくり吸います。
まずは「ドーソ(高い方)ード」の音の幅を「マ(ド)ーマ(ソ)ーマ(ド)ー」で発声します。
でもまず、『ソ』のところでは発声せず「息を吸って」ください。
吸う時は頑張って吸うのでも、歌のブレスのような感じでもなく、太極拳や気功、ヨガみたいな緩やかな呼吸でやってくださいね。
この緩んだ感じを体に覚えさせて、もういいかなって思ったら『ソ』高い部分で息を吸ってたところを声にしていきます。
上手くいかなければ緩やかな呼吸に戻すなどをして繰り返していきます。自然と緩やかな声が出てくるようになるはずです。
②高い声は出るけれど裏声になってしまう
そして2つめは、その高さはでるけど裏声になってしまうパターンです。地声っぽく出せないのですよね。これもかなり多いタイプです、女性に多い印象です。
ここでちょっと声帯のしくみを説明しますと、声は声帯の左右の粘膜のひだの間を吐く息が通り、ひだが振動して呼気を振動させ音波ができることから生まれます。
高い声はそのひだの振動数が増えてハリを増すことでギューんと伸びるとでてきます。
ギターの弦のつまみをぎゅいーーんと回すと弦のハリが増してビンビンに張って高い音が出てくの、なんとなくイメージできます?あれと同じです。
高くてもしっかりした地声に近い声は、そのひだが振動数を増して伸びて行っても、しっかりと声帯が閉じて厚みをもってぶつかり合ってる時に出てきます。
でもこれが結構難しくて、声帯を閉じる呼気圧が弱かったり、バランスが悪いと声が高くなるにつれ(声帯が伸びるにつれ)閉じる力も弱くなり裏声になったり弱い声になるんですね。
高い声が裏声になる人がするべき練習方法
そうならず程よい呼気の圧力で声帯をしっかり閉じさせるためには有名なトレーニング、にゃーにゃー、もしくはネイネイ それかニンニンというにゃんこ声での声域を広げる練習が有効です。
少し高いなーと感じるくらいの高さで少しふざけた声、猫の鳴き声を真似する時のような平べったい声で「ニャー」とまず出します。
これが裏声にならないようにするのが大事です。
その声である程度の高さのところで音階練習をしていきます。
「ニャー」よりも「ニンニン」とか「ネイネイ」のほうが出しやすければそれでもOKです!
大事なのは裏声や薄い声にならず、平べったくてもいいのでしっかりとした音圧があること。
うまくいかない時は、口を開いてハミングしてから「ニャー」と出してみる、口の形も平べったくしてあまり開けない方が最初はやりやすいと思います
まずは発声としてこれをやる。曲になった時に高い音が一音だけ出ない時なんかに、その音だけこの発声にするなども有効です。
レミオロメンの「粉雪」のサビで「こなーゆき」の「な」がでないなら「こニャーゆきー」と練習するのです。
大事なのは音質はどうであれ、まずその音を鳴らす、つまり声帯をバランスよく伸ばす練習をするといういこと。歌で使える音色にしていくのはその後でOKです!
③高い声を出す時声がひっくり返ってしまう
そして3つめは、高い音が出るけど裏返っちゃう場合です。
これも原因は2つ目と同じ。声帯が閉じる力をキープできないんですね。呼気の圧力が弱かったり、もしくは息の量が多すぎたりします。
ですので2とおなじ「ニャー」声の練習をしながら、呼気の量は減らし圧力を高めていく呼吸のトレーニングがピッタリです。
声を出す時に吐く息の量は本当に少なくてよくて、息を止めてるくらいの感覚です。どんなに高い声でもです。
でも圧力は必要です。
普通に呼吸をしていると、息を吐く(つまり声を出す)時は肺が収縮して身体全体が小さくなります、胸もお腹も凹んで小さくなっていきます。
でも歌う時にそれに任せていてはだめなのです。キープするためのトレーニングが必要です。
吐く時に横隔膜が上がってお腹が凹んでいくのを凹まず、キープさせる呼気圧をあげるトレーニングをしましょう。
まず息を吐いていく、お腹凹ましてオッケーです。
脇腹も体全体凹んでいきます。
その後軽く息を吸って、もう一回口から小さく細く息を吐きますが、その時は脇腹もお腹も凹まさずドラム缶のように身体が同じサイズにキープされるようにしましょう。
ちっちゃいおっちゃんが体の内側にいて自分に向かってくる前後左右の壁を押しやるような感じです。
もちろん頑張りすぎでは力んじゃうからNGです。息を長く伸ばすって思うくらいのバランスでちょうど良いかもしれません。
これは高音をしっかり出す時めちゃくちゃ大事なことです。
④高い声が全体的に柔らかい声でパワーがない
そして最後4つめ、大人の女性に結構多いのがこのパターン。全体的に声が柔らかく優しい感じで高い声も楽にでるけど、パワーがないメリハリもつけにくい発声です。
完璧な裏声になってしまってるわけではないし、きれいにそつなく歌えている。これでもなんなら悪くないけど、本人としては高い方は裏声っぽく感じるしなんか物足りない、もっとゴスペルっぽくとかビヨンセみたいに歌いたい、みたく思ってる人もかなり多いようです。
ミックスボイスの裏声よりといったところでしょうかね。
こう言うかたがた、決して悪くないんですが、やはりこれも呼気の圧力が足りず声帯の閉じ方が弱くなってる場合が多いので、もっとパワフルな地声風味をだしたければ、②,③であげた練習が有効です。
同時に、ここのみなさんは、「声帯をそれなりにしっかり閉じる」ことに慣れてません、低い音にしろ高い音にしろ同じような感じ。だから曲のダイナミクス表現が乏しくなりがちでもあります。
ですので②や③の練習と合わせて、中低音でしっかり目の声で発声練習をしていった方が良いですね。
これはね、曲じゃなくて発声練習で中低音をしっかり出すのが大事です。
なぜならパワフル系のMISIAの曲でもスーパーフライでも、Aメロからゴリゴリの厚みのある声で歌ってるわけじゃなくて、Aメロは柔らかい声で歌ってることが多いから、今の④タイプさんのままの声があってる場合が多いのです。逆にAメロあたりを思いっきり地声で歌うことの方が音楽的にイマイチで自分も違和感を覚えると思うので、ここは発声の音階練習で行きましょう!
以上です。長くなりましたが如何でしたでしょうか?
冒頭でもお話しした通り、今LINEで各タイプ別に分けた、どこでも取り組める練習エクササイズの音源をプレゼントしてますのでよかったらLINEにも登録してくださいね。
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