こんにちは 大人のボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子(@fernandesyuko)です。
リズム感がない!
リズム感が悪い!
リズム感は生まれつきだよ!
歌を上手に歌いたくてボイトレなどに通っている人が投げかけられたら、とてつもなく絶望的に聞こえる言葉です。でも今日、その絶望を希望に変えていきましょう。
リズム感ないのは生まれつきか?
リズム感が悪い・・・容赦なくそんな救いのなさそうな言葉を投げかけてくる指導者もいますが(古傷あり)、誰より、自分自身がさんざん自分に突きつけて来てませんか?
私がそうでした。名前もルックスも「生まれた時からリズム感ばっちりでーす!」みたいによく見られるのですが(笑)、歌を始めた頃は本当にリズムが苦手で、トレーニングに苦労したトラウマもあります。
でも今は
アカペラでうたってもリズムを感じられるね!
なんていわれるようになるほどになりました!
リズム感って本当に生まれつきなの?
というかそもそもリズム感って?
リズム感が良い悪いってどういうこと?
そして後天的に鍛えられるものなの?
鍛えるにはどうやったらいいの?
そんな過去の自分の問いに真正面から答えていきます!
リズム感とは?自分があるのか、ないのか診断するには
日本人は思考停止的に「自分はリズム感が悪い!」とざっくりディスってる人が本当に多いです。
ところが、「じゃあリズム感ってなんですか?」と聞くとはっきり答えられる人はほぼいません。
わからないもの=できない。
やったことない=できない。
のは当たり前。まずは目の前の巨大な「なんだかよくわからないもの」のヴェールを一枚一枚剥がしていきましょう。
リズム感とは。ビート感とは何が違う?
ビートとは「拍」のこと。
8ビートといえば、4分の4拍子で8分音符が1小節に8つ、16ビートは16分音符が入ります。
曲を1、2、3、4と拍で数えてみてください。
それがbeat。
ちなみにbeatは英単語の意味は「打つ」とか「叩く」。
ドラムの「打点」だと捉えるのも
わかりやすいかもしれません。
リズムはここに加えて音や休符の長さ、音に入る・切るタイミングアクセント、などが加わったものと言われています。
もう少し音楽的な要素が入り込んでるんですね。
※一般的にはざっくりと「リズム感」と説明されることが多いです。
リズム感があるかないかをチェックする診断テスト
リズム感の有無をチェックするには、一般的に
✔︎ メトロノームに合わせててを叩く、
✔︎ 専用のアプリを使う
✔︎ 曲に合わせて手を叩いて録音して聴いてずれていないか確認してみる。
などと言われています。
これらは主には1拍の拍の感覚、ビートの感覚をチェックするものですね。
歌にリズムを生み出していくのはもちろんこれだけではないのですが、ここが捉えられないと当然その次にはいけません。
ではこの基礎的な拍の感覚やリズムの捉え方って鍛えられるでしょうか?生まれつきではないのか・・?とよく聞かれるのですがもちろんそんなことはありません。
リズム感は生まれつきではありません。
安心してください。ただ、特にトレーニングをしなくてもリズムをとらえるのが得意の人はいます。
元々運動神経が良い人がいるように、リズム感に優れている人もいる人もおります。
ただ、先天的な要素が(運動神経と同じように)なきにしもあらずですが、環境による要因が圧倒的に大きいと私は解釈しています。
例えば・・・、幼いころからずっとゴスペルなどをやっているとか、親の影響で小さいころからギターを弾いているとか、日本人だけどブラジル生まれで親とずっとサンバチームにいるとかそんな方々と、音楽とは無縁の環境で育ってきた人とでは音をとらえる感覚は全くことなるはず。
でも、見方を変えれば、そういう環境を用意すれば自分も音の捉え方を育てることができるようになるし、もっと効率的なトレーニングを踏めばよりスピーディーのリズム感覚を鍛えられる、と言えるわけです。
ちなみに、日本の盆踊りなどのリズムの取り方は、洋楽やその影響を受けたJ-POPを歌う人からすると良くないものとみなされがちですが、そうではありません。ただ違うだけ。実はアフリカのリズムと日本古来のリズムがぱっちり合ったりする要素もあるんですよ。
こんな記事もありますよ。
「生まれつき」とか「血」だなんていうのは全てを最初から放棄してる見たいでしゃくにさわります(笑)
リズム感は後天的に鍛えることができるもの
ピッチや音程などは「練習すれば変わる」と信じてる人でさえも、リズム感に関しては
生まれつきリズム感が悪いんだー!
日本人だからリズムはかわらないよね〜
なんて思ってる人も多いです。しかしね、
自分のパターンを知りトレーニングしていけば必ず変わります!
「リズム感が悪い」3つの原因
曲にうまく歌が乗っていない
テンポがズレている
つまりなんだかはまっていない、
そう言う時人は「あ~リズム感悪いね」と十把一絡げのごとく、ジャッジされてしまう。
でも、音やテンポがずれるには細かい原因があります。自分がどのパターンに陥ってるかを知ることもすごく大切です。
1演奏の音をちゃんと聴けていない
歌い手にありがちなパターンですが、曲を覚える時も歌ばかりにフォーカスしてしまいバックの演奏の音楽をちゃんと聴いてない、ということが本当によくあります。
ドラムのバスドラ(一番大きな太鼓、低い音でドーン)がどこで鳴っているのか、
ハイハットは(小さく固定されて上下に動くシンバルみたいなもの)どう刻まれているか
ベースのリズムと波はどう流れてるか
などをちゃんと聴けていないのです。そのため曲の「点」が歌と揃わなくなってきます。
特にハイハットは曲の細かいビートを刻んでるのでしっかり聴きとりましょう。
2打点と裏拍を感じていない
例えば、メトロノームが
1.2.3.4.1.2.3.4
と鳴っていたら
イチ・ニー・サン・シー と数えるのではなく
「イチトー、ニートー、サントー、シートー・・・」
と数えてみましょう。
その「ト」に当たる部分が裏拍になります。
「one and two and three and four and ・・・」
でもOK!「and 」にあたるところが「ト」ですね。
拍の数え方によってはそこは空白になり、間を感じていないとビートさえキープできない。
キープ出来ていないとテンポが走ったりズレてきたりしてしまいます。
表拍も感じる
洋楽や洋楽の影響あるJ-POPなどをやってるとよく「裏拍」が強調されます。でもね、「表」があるから「裏」がある。
「裏」しか感じてなかったらそれはいつか「表」になってしまう。しっかり両方感じましょう。
(ちょっと難しい話になるのでここでは割愛しますが、「裏拍至上主義」ってもうダサいなって少し思っています)
3発声のタイミングのズレ
リズムの話なのになぜ発声?と思うかもしれませんがこれは意外にも非常に重要なポイント。
声の立ち上がりが遅れてしまうと、出したい音の点が捉えられず楽器と揃わず、リズムは微妙にずれてきます。
その音に到達するまで時間がかかったり、声をしゃくってしまっていたり、また、息漏れがしてから声が鳴るので遅く音が聞こえたたりすのも、点がずれてしまいます。
リズムを見直すときは、実は滑舌や発声を見直す方が近道、ということ、結構多いです。
リズム感の鍛え方。正しく身につける4つの方法
リズムが悪い理由かがわかったら、今度はどう鍛えていけばよいか!です。
曲をしっかり聴く
オリジナルの曲の演奏をしっかり聴く習慣をつけましょう。
まずはドラム、ベース、 どんなビートなのか、しっかり確認することです。上述したドラムのそれぞれのパートに分けて聴けるように。
当レッスンでは歌いたい曲があるときにはYouTube などではなくi Tunes などで購入して、オリジナルの音源を聴くことをオススメしてます。
なぜかといえば、動画にもよりますが、YouTubeなどではバックの演奏の音がクリアに聞こえない場合が多いからです。
私は今も、最初にオリジナル音源を聴く時、そして慣れるまではしばらく性能の高いヘッドフォンで、曲の細部まで理解出来るよう注意深く聴くようにしています。
また、アプリを使って曲のテンポやキーを変えて練習するためにも、動画ではなくデータとして曲を入手する癖をつけたいところですね。
点を捉える練習
メトロノームを使っての練習をまずやりましょう。
表拍と裏拍をしっかり理解することが目的がまずひとつ。
メトロノームを鳴らし、そのメトロノームに合わせて手を叩く。それが全くズレないで叩けるようになったら、裏の空白の部分で手を叩く。ひたすらこれを繰り返します。
それから四分音符、八分音符、十六分音符、三連符、二拍三連、を繰り返す練習をしましょう。
4ビートで鳴らしたメトロノームに合わせて、
四分音符⇨八分音符⇨四分音符⇨十六分音符⇨四分音符⇨三連符⇨四分音符⇨二拍三連⇨四分音符・・・
と繰り返していく練習です。
曲の中では多種多様なリズムが張り巡らされています。
瞬時に変化に対応するためにも四分音符の感覚を感じながら揺れていく練習をしましょう!
これは文章では説明しにくいので今度動画を作らねばですね!
テンポを落として聴いて練習
難しいと思ったらゆっくりやってみる!
これはリズムに限らず歌の練習でつまずいたら鉄則です。
まずテンポを下げて曲を聞き、細かい点で音を捉え、テンポを落として練習します。
先ほども書きましたが、今はアプリなどでもテンポを落とせる優れものがたくさんありますので是非活用して下さい。
発声を見直す
呼吸のバランスを整え声帯をきちっと閉じ、その音を瞬間的に捉えるトレーニングをつみます。
出したい音に到達するのに時間をかけないようにするのです。
吐く息が声帯を通る、
声帯が閉じる、
声が出る、
そのタイミングは一緒なのです。伴奏に合わせて歌った自分の歌を録音するとよくわかると思いますよ。
また、歌詞ではなく、発音しやすい、PA や BA などで歌ってみてタイミングを掴むのも良い練習になります。
発音や滑舌を見直す
言語とリズム感には大きな関わりがあります。
日本語は母音が優位な言語で子音単独ではほぼなりたちません。
英語とかはそうじゃないですね。例えばBOOK。
日本人はブック(BUKKU)って言っちゃうけど本当は(BUKK)です。「ウ」は言わない。
言語の構成も違うせいか日本人は全てに母音をつけがちだし、子音が苦手でシャキッとしないことが多いのです。
でもビートを刻むのは子音なのでここがくっきりしないのは非常にリズム感に関わります。
また、現代社会はメールやチャットが多く話す機会が減っています。
その上日本語はあまり口を動かさなくても何を言っているかがわかってしまうので発音に関わる唇や舌などの筋肉がどんどん退化してしまう。
その結果、滑舌が悪くなったり、発音がくっきりしなくなったりしてしまうのです。
またコロナ以降はその表情筋がさらに退化しちゃいましたね、、これは正直由々しき問題と思ってます。
一度苦手な子音を見直してみてください。歌のリズムが変わってくるはずです。
こんな視点もご参考に。
リズムは身体でとるのか?
リズムは身体で感じるものとよくいいます。
私個人の考えはこれです。
リズムは心臓の鼓動でとる。グルーヴは脊椎でとる
ここは話すとまた長くなりますので別の機会にしますが、身体を柔軟にし感覚を研ぎ澄ますことはすごく大事です。
ストレッチをして身体(特に背骨まわり)をほぐしたり瞑想をして身体の感覚に耳を済ませるのも必要なトレーニングだと考えています。
でも、まず知りたいのは、自分が何ができていないのか
そこから必要な対策をし、トレーニングをしましょう。リズム感は必ず鍛えられますので、安心してくださいね!