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大音量バンドのボーカルが知るべき声量の扱い方

こんにちは 東京新宿・大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子(@fernandesyuko)です。

私自身も、私の周りも、
大音量のバンドや演奏で歌うことが多い人が集まっています^^

バテリアと呼ばれる打楽器隊が
大音量でひしめきあうサンバ。

アタバキ、パンデイロ、ビリンバウという
打楽器と手拍子でリズムを作るカポエイラ、

チンバウという高音が響く太鼓に
アゴゴ(カーベル)が重なる厚いサウンドのアフロブラジル。

バスドラで16ビート叩いてるようなハードロックなどなど。

打楽器が重なると当然声は聞き取りにくくなります。

また、当教室のグループレッスンには
ゴスペルクワイヤーに所属している方も多く
、その場合大勢で歌うことがあたりまえ。
自ずと声の集合体は「大音量」となる。

その時、自分の声が思ったほど抜けてこず
こもってうまくハモらないと悩んでいる方もいます。

さて、そんないわゆる「大音量」で歌う時、
気をつけるべき3つのポイントを見ていきましょー!

大音量バンドのボーカルとして声量をあげよう

ポイント1:大音量でもがならない

多くの人がやってしまいがちなこと。
自分の声が聞こえにくいからがなってしまう、叫んでしまう。

でも、がなっても、叫んでも自分の声は聞こえるようになりません。
それどころか、がなり叫ぶという場合ほとんど息の量が非常に強くなっています。

これは安定した声や音程キープの妨げになるだけではなく、声帯自身を痛めること。
絶対にやめましょう。

大切なのは「響かせる」こと。

こちらに詳しく書いてあります。

[clink url=”https://voiceandsoul.me/column133/”]

 

ポイント2:大音量の時は「抜ける声」を作る

どんな騒がしい場所でも聞こえやすい声というのが有ります。拔けてくる声。
これは周波数や声密度が高い声です。

大音量のバックで歌う時は、
大きな声を出すのではなく
周波数が高い抜ける声、声密度が高い声
を作ることが大事です。

ピンとこないかもしれませんが逆の例をあげるとわかるかもしれません。
周波数が低いと言うのは、ざっくり言うと暗くてこもりがちな声のこと。
声密度が低い声というのはウィスバーボイスをイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、騒がしい居酒屋にて、
ハスキーボイスで「すみませーん」と呼ぶよりは、
ビーズの稲葉さんが歌の調子で
「すみませーん」と言ったほうが拔けが良いだろうし、
もっと言えば林家パー子が「すみませーん、きゃはは♡」
と呼んだら間違いなく一発で返事が来るはず。
(例えが微妙に古くてすんませんが)

そして、ノラ・ジョーンズがあのまろやかなウィスバーボイスで「ハロー」というより、
マイケル・ジャクソンが「ポー!!」と言った方が絶対聞こえる。
そんな感じです。

どうやって周波数と声密度が高い抜ける声をだすのかは、様々なアプローチがあります。

口角を上げて上の歯を8本見せる

口角を上げて上の歯を八本見せて笑う。
これは「笑筋」(口角とこめかみを繋げている筋肉)を使った自然な笑顔です。
この時下の歯が見えて、「ニッ」とギャグ漫画のような不自然な笑顔になっていたら、
顔周りに力が入っていたり「笑筋」ではなく「口輪筋」が使われてる場合が多いので要注意。

まずしっかり口角を上げて歯を8本見せて笑顔を作る。
そして、その状態で口を縦に開きます。その時歯が隠れないようにしましょう。
こうすることで口腔内の共鳴器官が広がり、明るい声が出てきます。

もし上手くできなければ指で口角を支えてトライしてみてください!

また、これが上手くできない方は表情筋や口腔内が硬いということであり、
共鳴器官のみならず発音や滑舌にも影響します。
顔周りのマッサージやストレッチもしてくださいね。

目的の音の中の「高め」を出す

「ド」なら「ド」のその音が、点や線ではなく、幅を持っているとイメージしてみて下さい。
「ド」に5センチの幅があるとして、下の方や真ん中を鳴らすというより、
その幅の上の方5ミリ位に当てて音をだす、、そんなイメージで声を出してみて下さい。
共鳴器官が勝手に微調整され、声の明るさが変わってくるはずです。

真ん中の歯と歯の間の小さな穴

上の歯のど真ん中の2本、その間に小さな穴が空いていて、
そこから声が出てるとイメージしましょう。

これは声密度をあげるトレーニングです。

多くの人が息を多くだしすぎて、口からサランラップの芯位の太さの筒が出て、
そこから声がバーっと放出されてるような感じなのですが、
これだと声が分散されています。

もっと細かい点から、針の穴位の小さな穴から声が凝縮してでているイメージをしてみてください。
息漏れが強い人は、息を止めるイメージを持つのも効果的です。

歌の上手い下手と、抜ける声の関係

周波数の高い低いというのは音程の高さとは関係ありません。
音程が低くても周波数が高め、というのはあるし、その逆もしかりです。

また、当然歌の上手さとも関係はありません。
周波数が低めの声でも歌唱力が有る人はいますし、声密度の低いウィスパーボイスが魅力の歌手も多いです。

ですので、歌の良し悪しとは少し別に考えて練習することが大事です。

ただ、共鳴器官を上手く使えてないがゆえに周波数が低めの声になってる場合は、
声がこもっていたりピッチが悪かったり何らかの支障はでているはずだから気をつけましょう。
逆に、周波数が高すぎてキンキンになると、それはそれで耳障り。
周波数が高ければ良い、というわけではないのです。

また、音程そのものが高いほうがより拔けが良く聞きやすいはずです。
キーが自由に選べるならば、少し高めのキーでトライしたら明るさがでてきます。

一方、声密度の方ですが、ウィスパーボイスではなくただの息漏れ声になっていやしないか、も注意が必要なところですね。

ポイント3:大音量のときこそ、確実な音程やピッチ感

どんなに大音量で自分の音を一瞬見失おうとも、自分の声が聞こえなくなろうとも、
揺るぐことのない音程感やピッチ感を手に入れること。
もしかしたらこれが一番確実かもしれません。

音程は声帯の伸縮によって決められますが、その音程という階段を叩き込むのです。

目が見えない人が、自宅や慣れてる場所においては、歩数と歩幅で距離や位置を記憶しているように、
声帯にも確実な音の階段を記憶してもらうのです。

これは地道な音階トレーニングをする意外ありません。
しつこいほど何度も何度も、色んなパターンで音階を叩き込みます。

実際のところ、ライブで自分の声が全く聞こえなくなったら、そりゃあ焦りますが、、
でも、いかなる状況でも、音程やピッチに関して揺るぎない自信を持っていることは、
大きな手助けを与えてくれるはず。

まとめ

今あげたことは、大音量のバックで歌う場合じゃなくても、実は大切にしたいポイントです。

明るく密度が高い声というのは聞き取りやすく透明感もあります。
また、声の周波数や密度というのは、声の音色に関わること。ここを自在にコントロールできるということは、表現力や音色の多彩さにつながっていくことです。

ピアノ弾き語りでも、3ピースバンドでも、ゴスペルクワイヤーでも打楽器バンドでも、、どこでもぜひ参考にしてみていただきたいところです。

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