日本人が洋楽を歌う時忘れちゃいけない3つのこと

こんにちは 東京新宿・大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子です。

最近でこそ日本語の歌、昭和歌謡はもちろんお仕事ではジブリや童謡さえも歌う私ですが、
歌を始めた当初から15年以上は英語の曲一辺倒でした。

日本語曲を歌うようになったのは、
今から数年前に歌手活動を再開させてから。

でもこういうのって私だけではないはず。
面白いですよね、日本人なのに。

否定してるわけではもちろん無く、
純粋な疑問を感じたわけです。

なぜでしょうね?

日本人はなぜ洋楽が好き?

平成生まれの若者はさておきですが、
日本においては、
「英語の歌、外国の歌を歌う方がカッコイイ!」
長年そういう感覚があったような気がします。

ボーカルとして活動をしたり、バンドをしたりする人たちの多くは、
自分のオリジナル曲が無い場合は洋楽をコピー、もしくはカバーすることがとても多いですしね。

自分も含めてですが、昭和の世代は特にそれが強いようです。
日本の曲に良い曲がないわけでは全くないのに。
なんとも不思議です。

考えてみると、、色んな要素が影響していそうです。

例えば、戦後のアメリカによる教育。
昭和の世代は、戦争直後でなくても教育や世相として「アメリカは偉大だ」「アメリカはかっこいい」と、
ある意味洗脳もされてる部分も多いです。

一方で、ビートルズという素晴らしいバンドが生まれて日本に大旋風を巻き起こしたり、
また、ベトナム戦争や公民権運動を境に、政治的社会的メッセージが強い心に響く音楽が
欧米で多く誕生したことなども関係あるかもしれません。

マーヴィン・ゲイの、What’s going on とか
先日ノーベル賞をとったボブ・ディランの「風に吹かれて」などもその影響があると言われてます。

また、今でも根強い人気を誇るバンドが生まれたのも80,90年台ですし、
邦楽であっても、今の30,40代の世代はそれ以前の洋楽に影響を受けた、ニューミュージックやポップスを聞いて育ってる。

こんな流れを考えると、洋楽をかっこいい!歌いたい!と思うのは当然のことだとも、思います。

洋楽を歌う時に忘れちゃいけない3つのこと

私自身ずっと外国の歌を歌ってきました。

HipHopで黒人音楽にはまり、R&Bやゴスペルを歌の入り口として歌ってきました。
今はブラジル音楽も、ポルトガル語に手こずりながらも歌っています。

私の周囲にいる音楽関係者や生徒さん関係も、日本の曲より英語の曲を歌う方が圧倒的に多いです。

洋楽独特のグルーヴ
軽快なリズムに
サウンドの重厚感
ソウルフルなフレーズ
どれもこれも魅力です。

その魅力にハマって
そういう音楽を好きになり、
歌い奏でることは素晴らしいこと。

でも、絶対に忘れたくない大事なことがあります。
とっても大事な3つのこと。

1.その国の文化に敬意を払う

その音楽のルーツや背景を知る

自分のオリジナル曲ではなく
そして自分の国の音楽ではなく、
人様の国の文化を表した音楽を歌う場合、
最低限の敬意を払うべき、と思っています。

まずはその文化や成り立ちを学び知ること。
これはとても大切なことです。

それは、私がゴスペルや、カンドンブレという(ブラジルのアフリカ由来の土着の宗教)
黒人の奴隷の歴史や宗教色の強い音楽を主に歌っているため、そういう思いが強いのかもしれませんが。。

複雑で深い歴史の上に成り立ってる音楽はやはりそこを知らずして歌うことはできません。

もちろん、一般的なポップスやロックだって同じです。
英語の意味をいくら調べても、頭のなかでtranslateしているうちは
身体の内部にその曲を落とし込むのは難しいです。

だからこそ、その曲が生まれた成り立ちや背景、歌手や作り手の想いを調べるから、
自分が歌う時の解釈の手助けになる。

その曲を余すこと無く表現するための道標となるといういこと。
これは、日本語の歌だとしても、必要なことですが、言葉が直接身体に入ってこない外国語なら、なおさらです。

というか、その歌を深く理解して歌おうと思ったら、自ずとそれらのことを突き詰めたくなるもの。。

言語や発音、ノリを倣う

発音もしかりです。
自分で言って墓穴を掘るかもですが、書いてしまおう。

発音は正しく意味を伝えるだけではなく、
リズムを作るしノリを生みます。

英語の発音でポルトガル語の歌を歌ってもブラジルのノリにはならないし、
リオデジャネイロの風は感じられないのです(←今の私、頑張ります!)

また、ノリ、という点ではダンスなども同様です。
アフロブラジルユニットの仲間のダンサーとも話すのですが、
そのダンスや音楽のルーツを知らずに、どうしてそこから生まれた表現をするテクニックを磨けるのでしょう。

2.自分のルーツを、己を知る。

以前、お友達のFacebookタイムラインで素晴らしいストーリーを目にしました。

日本のタヒチアンフェスにおいての、タヒチの大御所の先生への質問。

タヒチアンダンスどうやったらうまくなりますか?

それに対し先生の答えがこうだったそうです。

タヒチアンダンスをうまくなりたいと思うなら、
まずは自国の文化を知ることです。
そして、それを愛し、敬い、尊び、そうすればきっと
タヒチアンダンスを上手に踊れるようになります。

この投稿見て感動しました。
まさに歌においても同じこと。

他国の音楽を歌うのであっても、
まずは自分の国のルーツを知ること己を知ることではなかろうかと。

自分のルーツを学び愛しリスペクトする。
それによって他国の文化に対する感性も、より研ぎ澄まされ磨かれていくし、
何を歌っても、日本人としての出汁(だし)がその曲の中に染み込んでいき、
唯一無二の歌が歌えるようになるのではなかろうかと。

3.曲に対して自分なりの解釈をしてみる

脳内変換を全くせずに他国の言語の意味を身体に落とし込むのは中々難しいもの。

帰国子女だったり、長年その国に滞在しているならばそうとも限らないでしょうが、
日本に日本人として住んでいる限りは、一度頭で変換をすることが多いと思います。

だからこそ私は、1,2を踏まえて上で、曲に対する自分の感覚を理解し自分の現実に落とし込み、
自分なりの解釈を持つようん心がけています。

例えば、先日もライブで歌ったのですが「peaple get ready」。

シンプルな歌詞で、公民権運動を題材にした曲と言われています。

歌詞は

People, get ready
There’s a train a-coming
You don’t need no ticket
You just get on board

とあります。

この電車がどこに行くのか。。
どこにも書いてありません。

歌詞の中では、この後に続く一箇所だけ。
for the train to Jordan
とだけ出てきます。

Jordan,つまりヨルダン。
でも文字通り中東のヨルダンではないはず。

原語で調べればこの曲に関する情報がもっと出てくるかもしれませんが、
この曲の成り立ちを考えると、やはり黒人たちの自由や、もっというと民衆の自由なのかな、と私は想像しました。

その上で、
「私の場合どうあてはまるだろう。」
ともう一歩踏み込んで考えるようにしています。

この電車はどこにいくのか、
自由ならばその自由はどこなのか。

人の目線や一般的な価値観に縛られずに自分らしくいる自由ではないだろうか。
チケットもいらない、ただ自分の信念だけがあればその自由にはたどり着けるはずだ。

そんな解釈でこの曲を歌ってみました。

オリジナルの良さを損なわず完全に歌い切りながら、自分の想いを歌に乗せる。
これは非常に!難しくて自分の実力のなさを毎回痛感するのですが、
歌に魂を吹き込むことは大事なことだと思っています。

その想いを余すこと無く表現できるように、やはりトレーニングが必須なんですけれどねw

ちなみに、私はMCでも必ず曲の背景と合わせて自分の解釈も伝えるようにしています。
その曲を知らない人も英語が全くわからない人もいますので、シェアすることによって伝わるものがあるのではと。

逆の意味で言うと、解釈を伝えることで共感を得られるということは、逃げにもなるのかもですが。
魂の乗った歌力だけで人を感動させることができればMCなどは不要でしょうし。精進ですな。

このことは、かつてゴスペルばかり歌っていた時代に培ってきた経験です。

私はクリスチャンでは無いので、ゴスペルの歌詞をそのまんま日本語に訳すと、
ピンとこなくて、自分のものにならないんですね。

それでも、大いなる自然や偉大な宇宙の働きに感謝をしたり、愛を感じたりすることは
クリスチャンの考え方と何ら変わりないものすので、それを自分の身の周りのものに置き換え、解釈をして歌ってきたのでした。

まとめ

私達日本人は、DNAにその歴史が入ってる人と、100%同じように歌うことは難しいかもしれません。

だからこそ、背景を知りルーツを探り、言葉や発音を学ぶ。
そして、自分がその曲から何を得て何を感じるのかを掴み取り、それを歌に乗せられるほどの歌力を持つ。

そして、そのように相手の国の歴史や文化を愛し尊ぶ細やかな感性は、
自分自身や自国を知って愛さるからこそ育まれるのかもしれません。

その過程で、自然とジューシーな出汁が(日本人だから肉汁ではないけど)
その歌から自然と溢れ出るような歌い手になれるのではないのかなぁと、そんなふうに思います。

とは言えね、入り口はただ楽しいだけだって、もちろん構わないんです。
音楽との付き合い方において、これが絶対正しい、なんてのは無いと思うから。

でも、他国の歌を歌えば歌うほど、やっぱりここに至るような気がします。

まだまだ学びは足りない。。
でも、ルーツを探る旅はいつ始めたって遅くありません。

Let’s take a trip!!!

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