こんにちは 東京新宿・大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子(@fernandesyuko)です。
声は自分の思いをまっすぐに、誤解なく、そして直接相手に伝える唯一のツール。
伝えたい内容がどんな声に乗るかで
受け取り側の印象は大きく変わり、
その後の関係性にまで左右することも。
また、内容に対する集中度も、
時に理解度にも影響を与えます。
どんな声だったらより良い印象を与えたり、内容が伝わりやすくなったりするんでしょうね。
シチュエーションに合わせた声
当教室の体験レッスンやカウンセリングでも時々ききます。
「良い声を出したい」
と。
ここで問いたい。
あなたにとっての良い声は一体なにかと。
答えとしてよくあるのが
ハリのある声
こもらず通る声
聞き取りやすい
よく響く
etc
でもこれはシチュエーションによって少し変わります。
最近、昔のムチウチ症状がでたり、
婦人科疾患で冷えが強くなったりし
なかなか趣味のカポエイラにもいけなくて、
まずは体調を整えよう!と思って
溶岩ヨガ教室に通い始めたんです。
そこでなにが気になるって先生の声なんですよ。
ヨガはリラクゼーションや瞑想の要素も
多分に含んでいるし、
その教室はスタジオは薄暗く
ポツポツ間接照明がある穏やかな空間。
そこで、インストラクターの方々の声が
やたら大きかったり
ハリがあるけどキンキンしてたり、
語尾が伸び過ぎてしまってたり
息漏れで小さい声だと聞き取り難かったり
(後半はヨガに限らず人に何かを伝えるのに適しているとは言えない声ですね。)
全くヨガポーズに集中できないという職業病に陥っています。(笑)
最も気になったのは、
女優の故大原麗子さんがテキパキしたような話し方をする先生。
一見(一耳?)よく響く素敵な声に聞こえますが
声は鼻にかかりあまったるくて
語尾にかけて大きくなっていく・・・
リラクゼーション音楽がかかるスタジオ内でものすごく違和感を感じてしまいました。
好みの部分をのぞいても、
やはり声にはそのシチュエーションに合わせたものがあるなあ、、と実感しました。
仕事の営業やプレゼンでは
ハキハキした通る声が適しているでしょうが、
例えばヨガスタジオにかぎらず
セッションやカウンセリングなどでは
必ずしもハキハキした方が良いとは限らないわけですし。
図書館の司書さんも声量たっぷりで話すのではちょっと困ってしまう。
病院に勤める人も、
駅員さんも
事務仕事も
接客業も、
きっとそのシチュエーションに最適な
ボリュームやテンションはあるはずです。
声を育てるということ
でもこれは、TPOに合わせて声を変えた方が良い、ということでは決してありません。
そうではなくて、
そもそもみんな声が全く育ってないんです。
適度な呼吸を送り込み
声帯を良い感じで振動させ
息漏れせぬよう良い音を鳴らし
共鳴器官をうまく活用させる
こんな基本的な発声ができていれば、
そのシチュエーションに
自然と身体が反応していくはず。
どうやったら相手に最も伝わるか
という真摯な気持ちも即座に声に現れてきます。
心身と声は密接な繋がりがありますからね。
良い呼気を送り込み
息漏れせずに声帯が振動し
鳴りの良い声をだせていたら
小さくても相手に聞き取りやすい声にできるし、
ボリュームの調節だって即座に可能だし、
穏やかさもスピード感も自由に行き来できるものです。
小手先のテクニックで
話し方や声の音色を変えるなどではなく、
根本から声を見つめ直しましょう。
相手に自分の気持ちをまっすぐ伝えるなら
声を磨くこと。声を育てること。
まずはそこからです。
こちらもぜひご参考に。
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