素晴らしい歌や演奏を聴いて
感動して涙を流したこと、ありますか?
きっとあると思います。
歌は人の心を動かす事ができるものです。
歌い手は、
自分が思い通り歌うことによって
人の心を動かしたい
そんな風に思って研鑽を積むもの。
そう、歌とはとてもとても、エモーショナル。
心を揺さぶり空気を震わせる振動そのものです。
そして、歌う側にとっても非常に感覚的なものです。
でも、ここは実は危険信号でもある。
やもすると
「歌は感情でコントロールできる」
と思いがちだから。
そう思って歌ってる人も
指導している人も
多いように見受けられます。
いつまでも思うように歌えない人の
一つの理由はここにあることも。
(あくまで一つの理由、でも大きな原因でもあります。)
思いの丈を表現することと
ただ叫び倒す自己満足とは違います。
そういうと「心は大事じゃないの?」
という声もあるかもしれませんが
そんなわけはありません。
感情も心の在り様も
歌にとってかけがえのないもの。
愛とかパッションとか、
オープンハートであるとか
切なさとかやりきれなさとか
その人の中に培われていった
経験や豊かな想像力が
表現の源にあるからです。
表現の土台にあるからです。
でもそれを思い通りに表現する、
アウトプットするためには
やっぱり技術や理論が大切。
それをきっちり理解して、
身体への神経回路を正しく通さなければ
せっかくのかけがえのない想いも
100%伝わりきりません。
これはずっと言い続けるよ。
どちらかではない、どちらも大切!
どちらも蔑ろにしてはいけないもの。
心と身体はつながっていますからね。
でも実は
簡単なのは心から入るのではなく
身体から入ること。
思考を思考でコントロールできないから。
感情も然り、です。
身体から入るのが有効なことは
脳科学でも証明されてるし
セラピーの現場でも生かされてることです。
私が理論やテクニックを重視するのもそのため。
心のあり方の重要さは、
歌えない理由を積み重ねて来た経験から
誰よりもわかってるつもりですからね。
心はちゃんと後からついてくるのです。
ハイヒールコーチの方がブログにこう綴っておられましたた。
私が大切にしていることは
やはり理論であると思っている
理論で制することが出来れば
これは何にも勝るものはなく
理論で説明が出来ないものは
空想論でしかないと思っている
美しさの世界に於いては感性だけが
大切であると誤解されがちであるが
美しさを脳で言語化させて理論で
説明が出来なければ、その人の美しき
世界とは、やはり空想論なのである
空想論で説いた人に誰がついてこようか
音楽に於いても感覚や感性だけが
優先させられがちですが、
右脳だけではなく
左脳も使ってトレーニングするからこそ
ステージの上で自由に表現できるのです。
あきらめずに、
どっちもちゃんと使おう!
もう一度いう、両方です!
そんなふうに心と身体をコネクトするのは
ある意味トレーニング。
当教室のグループレッスンでは
身体の感覚を研ぎ澄ましていくエクササイズも
たっぷり取り込んでいます。