喉を痛めやすい人の特徴と、喉に負担をかけない歌い方・話し方・喉ケア

こんにちは 大人のためのボイトレフェルナンデスユウコ(@fernandesyuko)です。
歌や喋りなどで声をよく使うのに、喉をよく痛めたり枯らしたりしている人は意外なほど多いです。
実は私自身が喉を痛めやすいタイプでいつも困ってました。
でも、経験を積むことで見えてきたものが沢山あります。
自分自身や周囲の経験、
声帯の特色や声のでるしくみ、
耳鼻咽喉科の先生のアドバイス等を思い返してみると、
喉を痛めやすかったり声を枯らしやすい方は大きくわけると2つが考えられます。
発声そのものに課題がある、もしくは喉鼻に問題があるの2つです。
発声的に喉を痛めやすい人の特徴と改善方法
1.がなって大きな声を出す人
大きな声を出そうとして
喉をしめて声をだす人には
非常に喉を痛めやすい人が多いです。
大きな声を出そうとして、
喉をグッと締めて声帯周りの
筋肉を緊張させてしまい
そこで無理に声をだすから
喉に負担がかかる。
それを続けることで
更に喉が疲れてきたり
強い張りを感じるようになったりします。
がなり声の人が注意すべき喉を痛めない話し方・歌い方
大きな声を出したければ、
大きな声を出そうと思うより
「響かせよう」と思うこと。
そして身体の力を全部抜く。
唯一下腹部からぐんっと上に向かう
インナーマッスルの力だけは欲しいです。
下腹部への意識は、歌のみならず、
プレゼンや接客業など、
しっかりした発声をしたいなら
意識をしたほうが良いポイントです。
2.息の量が多すぎる、強すぎる
実はこれもびっくりするほど多い。
大きな声を出そうとするときに
同時に息も強く吐いてしまったり、
息の量を増やしてしまうと
喉はものすごく疲れます。
息の量はどんなに大きな声でもどんなに高い声でも常に一定で、そんなに沢山必要ではありません。
でも、「大きな声だから、もしくは高い声だから息もたくさん必要だ」などと勘違いしていたり、
吐く息と声帯の閉じ加減のバランスが悪いと声帯に不要な呼気がぶつかり負担をかけるばかり。
喉も乾いてきてどんどん疲れてきてしまいます。
話しにくくなる、歌いにくくなるので、
「もっとちゃんと喋ろう、大きく話そう歌おう」
と思ってドンドン息を多く吐くという
同じことを繰り返す悪循環に陥ります。
当教室には喉が枯れやすくて
レッスンに来る方も多いですが
その多く方が息のぶつけすぎに原因があります。
息が多い、息みがちな人の喉を痛めない話し方・歌い方
息の量が多かったり強かったりする人は、
まずは優しくハミングで「mu」と一音だけ
丁寧に発声する練習から始めましょう。
最初の入り方がポイント。ゆっくり優しく声を出すようにして下さい。
勢いを強くして、投げつけない。
また、息漏れ気味な人は、声帯が上手く閉じられてない可能性があるので息を止めるイメージを持つことが大事!
そこについてはこの動画でより詳しく説明しています。ケアについても載せてるのでチェックしてくださいね!
身体的に喉を痛めやすい人の特徴と喉ケア
話し方や歌い方の癖ではなく、
慢性疾患などの体質などから
喉をからしやすい人もいます。
【最新!】
2022年6月に突発性難聴になり色々な気づきがありました。
こちらにシェアしてますので併せてこちらも必ずチェックを!

鼻が悪い
喉が痛いのに鼻が関係するの?
と思う方もいるかもしれませんが、
これはとっても大切なこと。
鼻炎や副鼻腔炎、後鼻漏、
また花粉症やアレルギーなどで
常に鼻づまり、また鼻水が出てる人は、
知らず知らずのうちに口呼吸になっています。
鼻が詰まってるから鼻から呼吸がしにくくて
口から吸うってことですね。
普段の生活の中ではなるべく
鼻呼吸を心がけたいもの。
鼻は鼻毛や繊維質がたくさんあり、
自然と浄化と加湿をしてくれてるのす。
一方口呼吸は、空気中のアレルギー物質や
汚染された大気、乾燥した空気を、
バリアや防御無く取り込んでしまい
風邪も引きやすくなります。
また、口呼吸は喉はずっと乾いた状態になり
声帯も疲れやすく声を出す時にも
影響が出てくることがあります。
特に睡眠時は顕著なので、
口を開けて寝ている人は
翌朝喉がイガイガしたり乾いたりしているはず。
思い当たる場合はすぐケアしましょう。
鼻が悪い人の喉ケア
軽度の鼻炎は放って置かれがち。
でもよく歌ったり喋る人には、
想像以上に影響が出るのでぜひケアをしたいところ。
アレ?と思い当たるフシがあれば、
一度クリニックなどできちんと
診てもらうことをオススメします。
今は基本的には
耳鼻科の先生から勧められてる
吸入器を使ったりします。
(A&Dの「ホットシャワー」はマジで神アイテム)
また冬だけじゃなく、
夏のクーラーを使うときこそ
加湿器を使用したりもしてますよ。
声帯に結節がある
声帯は左右の粘膜のヒダが閉じ、
そこを吐く息が通ることで
振動をして声が出ます。
その声帯の粘膜の部分にポリープや
結節と呼ばれる節があると、
声帯の閉じるバランスが悪くなり
声に影響が出てきます。
できてしまう原因は色々。
上述してきたような、
がなって大きな声をだす
発声を続けてやると負担が激しくなり
結節になることも多いようです。
大きなポリープまでいってしまうと
声への影響も顕著で気がつきやすいものの、
結節の場合は「ちょっと声枯れが続いてる」
程度に感じて放置していまいがちだとか。
でもこれが続くとなかなか声の状態が
スーッと通り、よくなっていきません。
声帯にポリープや結節があるなら
歌を始めた当初、20年以上前のこと。
風邪を引いたのに無理して声をだし
声帯に結節ができてしまいました。
耳鼻科に通って治療をしたのですが
その前に無理して歌い続けていて
しばらく放置してしまっていたので
完治するのにだいぶ時間がかかりました。
そのせいか、また持病の鼻炎も重なってか
今でもステージやレッスンが続き
声帯への負担がますと、当時の結節の
周辺が硬くなり、ちょっとだけかすれてきます。
音声外来のある耳鼻科で
実際に状態を診てもらったときに
「昔の結節の跡が悪さをしているね」
と言われたことがあり、ああ、なるほど、と思ったものです。
声帯はストロボスコープを使って見るもので、
基本的には自分では見えるものではありません。
気になる症状がある場合は診てもらうと安心です。
また、ハスキーボイスの人も
場合によっては結節がある可能性があります。
気になる方はなるべく早めに
メディカルチェックしてくださいね。

ちなみに、結節のケアとしても、上述した吸入器を耳鼻咽喉科の先生に勧められます。
こちらに私が喉や鼻の調子が悪い時のケア対策をまとめてあります。

これ以上喉を枯らさない、傷めないために
自分が喉をからしやすい原因や
傷めてしまう理由、ピンときましたか?
もちろん複合的に理由が重なり合ってることも多いはず。
大事なのは、
「自分がどこにいるのか」
を知ること。
何事も自分を知ることから全て始まります。
今一度ご自身の声の出し方を見直してみて下さいね!