目に見えない声の正体


声とはなんでしょう?

「声とはなんでしょう?」当レッスンでは初回の身体作りや呼吸のレッスンが終わると、必ずこの質問をします。ちょっと考えて正解にたどり着く人も少なくありません。普段意識してないだけで、本当はわかっている人が意外と居るようです。(別にわからなくても良いのですがね)

答えはとてもシンプルです。

声とは音です。そして音は空気の振動です。

そして声がでるところは声帯です。
声帯は筋肉と粘膜と靭帯でできております。
きっと写真を見せたほうがわかりやすい。下は私の声帯の断面図です。
調子が悪く耳鼻咽喉科の音声外来を受信した時にとってもらったものなので
若干充血しておりますが、、

左が呼吸をしてる時、真ん中が開いています。奥に気管があります。
右がヒダが閉じてる状態です。これが声を出しているときです。このヒダの間を吐く息が通って、このヒダが振動し、音になります。

ためしに「あー」と声を伸ばしてみて、その時に喉仏あたりを触ってみて下さい。振動してるのがわかるはずです。ここで音が出てきています。これは声の源、とても大事なものです。

 

スピーカーの出番

しかし、この時点で生まれている音はブザーのような音だそうです。さて、どうすれば今我々が聞こえてる声になるのでしょうか。

そこで、共鳴器官が必要になってきます。共鳴器官は主に口腔、鼻腔、頭蓋骨などの声が反響する身体の器官です。胸郭も含まれるので身体全体、と言ってもよいでしょう。まさに、ステレオで言うスピーカーの役割です。

発声とは、まず息を吐く、その吐く息が声帯の振動を作り、共鳴器官を経て空気を振動させるものです。

 

伝達のツールでもある声

生理学的な視点で「声」とは、について述べてきましたが、もう一つ大事な役割があります。

声とは、相手に誤解なく、直接的に自分の気持を伝えられるツールです。

「誤解なく」というところがポイントです。
相手に自分の気持を直接(メールや手紙などではなく)伝えるツールは実は他にもありますよね。

日本では、『以心伝心』などという美しい日本語があるくらいですし、ジェスチャーは世界中に存在します。が、残念ながら、『以心伝心』はだれにでも通じるものではありませんし、誤解もあるでしょう。ジェスチャーなどもそう。国によってそのジェスチャーが表すものの意味が変わります。日本で『OK』を意味する指で◯を作るサインは、夫の母国、ブラジルでは卑猥な意味になります(笑

でも、声は、声だけは、うまく言葉を選べば
自分の気持をまっすぐ直接誤解なく相手に届けられるものなのです。
ボソボソ話していたりしゃがれ声だったり力のない声だったり、、では勿体ないですね。世界のエグゼクティブが、スピーチと合わせて声の出し方も学ぶことが多いそうですがそれも当然です。同じ素晴らしいことを言うならば、はっきりと通る頼りがいのある声のほうが、ずっと信頼がおけます。

そして、それは決してエグゼクティブや、また、ビジネスシーンに限ったことではありません。日常生活にこそ、自分の想いを誤解なくまっすぐ伝えたい人はそばにいるはずですから。

 

声とはエネルギー

つまり「声とはなんでしょう」という問いに答えるならば、まずは空気の振動であるということ。振動とは、物理的な流れや力の変化ですから、まさにエネルギーそのものです。

そして、もうひとつ、相手に自分の想いを伝えるツールでもある声。その自分の想いというエネルギーが声の源流でもあるのです。

それは自分という楽器から奏でられるエネルギーです。目に見えない「声」というものは自分自身に他なりません。