ボイストレーナーのフェルナンデスユウコです。
藤井風さん、2019年の夏前に弾き語り動画ですっごいやつがいる!!と思ってはまったなのですが、2023年もさらにブレイクしそう!コンサートも全然取れません(涙)
今まで音楽にさほど興味ない人が「藤井風がいい!」と叫んでいたりとか、圧倒的洋楽派だった人がハマってたりとか、周囲でいろんなことが起こっています。
大人のファンがものすごく多い!
2020年10月の初めての武道館ライブも私あたりまして(自慢w)その時も,4,50代の同世代がものすごく多かった印象があったし、ネットで調べる限りもそうです。
50代以上が8割を占める私の教室の生徒さんにもファンがとても多くて、「彼の曲を歌いたい」という人が出てきたり、また「彼のように歌うにはどうするんだろう」というシンプルな質問も出てきたりしてます。
藤井風さんの歌い方解説や音楽の魅力は本当にたくさんのボイストレーナーや音楽家が語っているので私は別視点で
天才藤井風の歌と生き方はなぜあんなに感動するのか
歌声と技術的な魅力はこちらの記事に載せてありますのでよかったらご参考に。
藤井風さんのように歌いたくて、一つでも真似したい、自分のものにしたい、どんなテクニック、そして心掛けが必要なの、と詳しく知りたい人は是非チェックしてくださいね。
こちらの記事では、彼の音楽的な環境やロングインタビューの考察などを通して、大人の私たちが藤井風の歌にハマる理由と、自分が少しでもこんな歌に近づくにはどうしたらいいのか、についてお届けします!
最後まで見ていただくと、人の心を感動させる歌を歌いたいという大人の皆さんのヒントになるものが得られると思います、ぜひ最後までご覧くださいね。
藤井風の歌と曲が素晴らしいのは
どうして私たち大人は彼の歌にここまで心を奪われるんでしょうね、曲の良さとか歌声とか技術以外の点でもね、、大きな影響があると思います。
私たちが勝手に持ってる彼の印象は
「類い稀な音楽的才能と現代の20代とは思えないピュアな精神性をもった超天才」
「好きな音楽をやっていって自分を自由に表現していったら今の世の中の人に認められたんじゃ?」
何も知らない時はそう思っていませんでした?
曲や音楽の完成度と彼の個性から、私も以前はそう思っていました。
でも今は色々テレビや雑誌で本人が話してるのを聞いて、それだけではないんだなと思っています。
本人の話を聞いても、お父様の影響がかなり強かったぽいですよね、その影響で3歳からピアノやってるしエレクトーンは兄弟が全員やってるし、サックスも小学校半ばからやってると。
ジャズとクラシックはきっちりやっておけと今でもお父様に言われるほどだそうです。でもお兄さんやお姉さんの影響でPOPSや一般的な洋楽も聞いていた。
つまり、しっかりした基礎の上にあらゆるジャンルの音楽が融合するからこそ生まれている音楽的な技術や底力みたいなものが小さい頃からしっかり育まれているのでしょう。
もちろんそのプロセスの中でクールで美しいメロディラインやリズムを生み出し続けている、、というのはもうギフティッドというか、天からの素晴らしい贈り物とも思います。
で、そのお父様につねひごろから「きちんと説明するのは難しいけど『みんなに愛される人であれ』というようなことをいわれてきた」と言っています。
この雑誌のインタビューにも
「人を区別しないこと、誰にでも同じように接することを心がけていたかもしれない。みんなから愛されるためには自分が優しくしなきゃいけないしみんなのことをすきにならなきゃいけないし」と。
それでもうまくいかないこともあって失敗して反省して成長してきた、、と書かれています。
そしてだんだんと音楽においても「みんなを楽しませたい」と既に高校生くらいから思い始めたみたいなんですよね。
一般的によくある「好きなことをやってやってやり続けて音楽家になりたくて」というのとは少し異なっていて、
当たり前のようにもうピアノがあって音楽で表現をするということがもうツールとしてそこにあり、その上で「人を楽しませたい喜ばせたい」と早々思っていた、、それが彼の音楽の原点なんではと。
「何なんw」もこのサビの「何なん」をもっと気持ちよく聞かせたいそのためになにをしたらいいのか、どうしたらみんな飽きないかって考えていったらこういうふうになった、、、というのです。
一昔前なら、デビューする前の20代そこそこの青年から出てくる言葉ではないでしょう。
根底にエンターテイメントの気質を持っている。
だから藤井風さんの曲は転調も多いし、展開も多い、いわゆるAメロBメロサビでおわるような単調なものばかりではなく、スリリングで人を惹きつけてやまない構成になってるのではないかと思っています。
藤井風の音楽の背景にある人生観
とスピリチュアル
それからもう一つ、その精神性、哲学性です
藤井風さんのファンは冒頭でも述べたようにものすごくファンの年代層が結構高めです。50代前後の人がものすごく多い。
それには、彼がカバーで弾いてる曲が私たちの世代にドンピシャだったりというのもあると思います。
Just the two of usとかもそうだし、私が最初にハマったのは泰葉の「フライデーチャイナタウン」でした。
でもそれだけではなくて、「帰ろう」などに現れる人生観や死生観だったり、ハイヤーセルフからのメッセージだという「なんなん」だったり(※ハイヤーセルフ=自分のなかにある完璧なるもう一人の存在みたいなものと解釈)
既にもう持ってるもう満たされているという「とくにない」なんかに現れていると思いませんか?
あれがほしいこれがほしい愛したい愛されたいと言い尽くして言われ尽くし、疲れ切った中年の大人の男女に響くのではないかって思うんですよね・・・(バブルと氷河期期世代にドンピシャw)
しかもこの「帰ろう」の中で表現された人生観や死生観は、「自分がそうなれているわけではない」と本人が語っています。
まだそうなれてないけどもがき生きる・・・という思いがその他の素晴らしい曲たちに表れているのを私たちは感じ取ってるのではないでしょうか。
「そうだよね、こうありたいよね、でもこうなっちゃうよね、、、生きてるってこういうことだよね!頑張ろう!」みたいに言いあてられているようで、より胸に深く刻まれ感動するのではないかなって思いました。
藤井風さんへの愛が止まらない
自分の語彙力で彼の音楽の魅力を伝えきることは本当に難しいです。
前回の記事では、藤井風さんの歌い方の特徴と、歌のあり方を少しでも取り入れたければ技術的にはこういう面が必要だ、ということについて触れました。
これはもう、「こうありたい」と思ってもがいて生きることではないかなと。それを隠さずに歌にだしきることではないかと。
仕事で成功するとか一発当てるとかではなく、生き方として、です。
どんな自分であるか。「生き方」というより「在り方」と言ってもいいかもしれません。
自分がどうあるかを考えてそれに向かってもがいて一生懸命進んでいく、、こういう姿ってその人の味となってしみでてきますものね、発声や歌のテクニックがそれを引き出していくれるんだと思います。
こういったプロセスを早くから音楽を通して積み重ねてきた藤井風さんに私たちはきっと惹かれるのでしょう。
私も、「こう生きようこうあろう」といつも考えているけど、それができてる自分、できてない自分全部ひっくるめて愛しながら見つめ続けてね、それを歌やレッスンに還元できたらなーって思います。
そういうもがいて生きるエネルギーが人の心を打つ歌うにつながっていくんです。