こんにちは 東京新宿・大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子(@fernandesyuko)です。
ジャンルに合わせた発声ができない。
時々頂戴するお悩みです。
確かに、例えばゴスペルとアニソンでは
メロディもリズムも歌の雰囲気も
全ててんでバラバラで、
違う発声方法が必要にも見える。
でもはたしてそうなのかな?
どんなジャンルでも正しい発声は一つ。
発声は非常に明確な物理的な動きがあります。
吐く息の圧力で声帯のひだは開閉し、
呼気を振動させて音波をつくりだす。
というもの。
説明の仕方や表現にいくらかの差は
あるとしても、正解はひとつです。
だから回答としては
「ジャンルによって発声の違いはありません」
どんなジャンルを歌うとしても、
その基礎の発声の物理に即した
正しい使い方ができてるか、
というのがとても大切になってきます。
*吐く息を多くしないこと。
*吐く息をぶつけないこと
*アウターマッスル、とくに喉周りの外側の筋肉を力ませずリラックスすること
*骨盤底筋群や腹横筋などのインナーマッスルをうまくコントロールすること
*首から上の共鳴器官を緩めること
ゴスペルだってロックだってJ-POPだって
丁寧に呼気を送り込むのが最初です。
ジャンルによる音色の違いと表現力
しかしです。
ジャンルによって歌の雰囲気が異なるのも確か。
これはざっくりまとめると音色の違いです。
例えば、多くの人が持ってるイメージとしては・・・
・・・
ゴスペルやソウルは太くて
力強い地声がいいもんだ
R&Bだとそこに
スモーキーさが加わったり
ファルセットやフェイクを駆使。
ハードロックは少しハスキーな
声がイケてる感じ。
メタルだともっとしゃがれ声っぽい。
ロックは言葉がくっきり聞こえてノリがいいな。
アニソンはロックっぽいけど
少し細めで高い音が鳴ってる感じかな。
J-POPは丁寧に言葉を置いて優しい響き。
演歌は民謡から来てる人も多いし少し鼻にかかってこぶしまわしてる?
ボサノバだったらやっぱりウィスパー系だよね。
・・・
といったところでしょうか。
横にそれますがこんなのもご参考に。
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こうやってみると、音色に限らず、
子音の立て方や言葉の置き方なども
ジャンルの特徴をイメージづけますね。
でもこれらは発声の違いではなく「表現力」のひとつです。
その上、ジャンルに縛られるものでもありません。
ゴスペルルーツも持つソウルフルな歌手
MISIAはアニメソング歌っているし、
演歌歌手から始まって今や弾ける
ロックを歌う氷川きよし氏もいる。
ソウルフルに歌うボサノバ歌手がいたっていい。
(エリスレジーナなんて、もう、ブラジルのジャニスか!?と思うような表現の歌もある。)
そう。ジャンルに縛られるって
ちょっぴりナンセンスだと思いません?!
イメージに凝り固まると
歌の表現力は広がっていきません。
素晴らしいヴォーカリストだなあ・・と
憧れる方々が、今の立ち位置は何であれ
かつて多様なジャンルの歌に触れてきた、
というのも納得です。
ゆるがない基礎の発声を保ちつつ
自由な表現力をたくさん吸収していきましょう!
こちらもご参考に!
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