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高い声が出ない症状別の原因と楽に高い声で歌うための簡単な練習方法

こんにちは 大人のためのボイトレ教室Harmoniaのフェルナンデス由布子(@fernandesyuko)です。

「高い声が出ない」「出すと苦しくなる」「喉が痛くなる」

高い声を出すことに関する悩みはつきません。
当教室のお悩み欄でも多くを占めます。

だからみんな頑張る。
気合いを入れて練習する。

でもね、多くの場合、気合いの入れ方が間違ってます。
そこじゃないんですよ、気合いを入れるのは。

高い声が出ない原因

高い声が出ない原因はいくつかあります。
いくつかの状態が複数の症状を引き起こすので
原因も複合的な場合が多いですが、
わかりやすくひとつずつ見ていきましょう。

喉が痛くなる・苦しくなる

高い声を出そうとして喉が痛くなれば、それは力の入れすぎです。

発声は声帯の振動です。
そして声帯は喉仏の軟骨の中にある。
高い声は声帯が張りをまして伸展することででます。

喉周りや首周辺に力をいれることは、
声帯の伸展を妨げたり
また正しい姿勢をキープできない上、
舌周りにも影響を及ぼします。

様々なサイトで、
「高い声を出すには力を入れないこと」
と書いてあります。

なので、きっと「またこれかよ」
と思ってることでしょう(笑)

でも、この「力まない」というのは絶対なのです。

高い声に限らず、発声において
「力まずにリラックスしている」
というのはマストです。

声が裏返る

声は声帯が閉じているところに呼気が通り、閉じている声帯の粘膜が振動して声が出ます。


声帯は粘膜と筋肉と靭帯で構成されています。声は、ピタリと閉じてる左右の粘膜のヒダの間を呼気が通ることで周辺の空気が共振してさらに共鳴器官を経て外に出てきます。

ただこのとき、吐く息が多すぎると、
振動のバランスが悪くなり、
裏返ったり声がばらけたりしてしまいます。

時々、高い声を出すときに
「息の量を多くして」
などと書いてあるサイトなどありますが、
これは推奨しません。

息の量はどんなに高い声を出すときも
どんなに大きい声を出すときも常に一定。

口笛を吹くくらいの少しの量です。

声が枯れてくる・かすれる

声が枯れたりかすれたりするのは、
声帯がピタリと閉じていないか、
閉じる邪魔をする声帯表面のむくみや
結節がある場合が多いと言われています。

力んだり息をぶつけるような高音練習を続けていると、
声帯の粘膜に負担がかかり
むくみや結節を作る原因になります。

また、上述したように息の量が多すぎると、
それだけで声帯の振動はバランスを崩し
安定した発声にはいたりません。

練習を続けている時だけではなく、
歌い出しの最初からかすれ声ならば
息漏れしている可能性もあるので、発声を見直したいです。

また、話す声もかすれているなら、
結節やポリープが潜んでいる可能性もあるので
耳鼻咽喉科でチェックしてもらうことをおススメします。

こちらもぜひチェックしてください。

高い声はミックスボイスなのか地声なのか?

実は、地声・ミックスボイス(真ん中の声)・裏声、と言い分けることは、非常にナンセンスなことです。

なぜなら「裏声」「地声」「ミックス」
などとしっかり分かれてるものではなく
そこには絶妙なグラデーションが存在しています。

限りなく地声に近い裏声だったり、
限りなく裏声に近い地声だったり、
その中間だったりが存在するのです。

便宜上「裏声で」とか「地声で」
などと申しますが、
本当はそんなものはないのです。

その区切りがはっきりしておらず
より豊かなグラデーションで
いつの間にか声の音色が変わっているのが理想的です。

そして、曲中で、
好きなタイミングで
好きな音色を取り出せたら最高。

だから、高い声は
裏声だって、ミックスボイスだって、
地声だってなんだって良いのです。

ちなみに、その声のグラデーションが
どう起こっているのかといえば、
声帯の厚みや左右のヒダのくっつき方が
少しずつ変化をしているんですね。

むちゃくちゃ運動能力の高い声帯を持ってるということ。

練習方法も、様々なアプローチで
声帯そのものの運動性を高めていくことが効果的です。

こちらもご参考に。

高い声を楽にだすための簡単な練習方法

実は私自身、歌を始めた頃は
とてもキーが低く、ラ位でヒィヒィでした。
が、今は上のミくらいまでは地声的な声で出るようになりました。

どんな練習をしていたかをご紹介します!

裏声を強化

しっかりとした芯のある裏声。
これは実は苦手な人が多いんです。
なぜなら、裏声は息が多すぎたり
強すぎたりするときれいに出ないから。

一方、裏声に限らず高い声を出す時は
声帯が薄く伸びていく必要があります。

上述していますが、声の高さは声帯の伸展から起こります。


声の高さは声帯の振動数が決めます。振動数が多い、つまり開閉スピードが早いと高い声がでます。


そしてその振動数がどうやって決まるのかと言えば、、声帯の張り具合によります。
声帯周りの筋肉が関与して声帯が引き伸ばされると声帯は薄くなり張りを増し、振動数が増えるのです。

安定した芯のある裏声には
少しの息を(どんな声でもそうですが。)
少しずつお腹周りと胸郭で支えながら出すことが大事。

つまり裏声を出すことは、
呼気の量を整えながら
バランスよく声帯を伸展させていくのに
非常に良いトレーニングになります。

それは楽に高音を出していくアプローチの一つです。

高い声へと繋がる猫の鳴き声

いつもより少し高めの声で、
ベタっとした猫の鳴き声を「ニャー」と出してみましょう。

ちょっと平べったいというか、
アニメ声にも近いふざけた声です。

このニャニャニャ声は、
息の量が制限されて声帯も伸びやすくなります。
声帯の筋トレにもってこいの練習方法です。

注意したいのはなるべく裏声っぽくならないこと。
裏声っぽい「にゃー」やどら猫っぽい「にゃ゛ー」は避けてくださいね。

ただこのままでは、少し平べったい
潰れた音色のままで歌には使えません。

ここから口腔内などの共鳴器官を開いていくこと。
そうすると共鳴に変化が起こり、
歌に使える声の音色になっていくはずです。

まずはニャーニャー声で、
声帯をしっかり高い声に向けて張りを持たせてあげる、
そしてその後音色を調節する、ということです。

音の高さを決める器官と、
音色を決める器官は異なりますからね、
バラバラな練習が必要、ということなのです。

高い声を出すのは息の量は関係ない

「高い声を出す時たくさん息を吐きましょう」
という情報は非常に多いのですが
これは全く事実とは違う、
それどころか声帯を痛める可能性が高いので注意が必要です。

大事なのは息の量ではなく、息の圧力。
肺の中の息の圧力を高めて
声帯の閉じる力を増してあげると
芯のある高い声がでてきます。

そしてこの、「息の圧力」を高めるのは、胸郭の内圧を高めること。

胴体の横の部分がぐっと広がってそれをキープする左右に働く力と、
声をだす時に上がってくる横隔膜を急に押し上げさせないような下腹部に働く上下の力と
両方の支えが必要です。

高い声を出したい時は、喉周りにも首にもアゴ周りにも全く力を入れませんが、
胸郭周りと下腹部にはしっかりとした支えがあります。

この支えのためには、まずは普通のシットアップの腹筋ではなく、足上げ腹筋をしましょう。
そして、身体を広げて少しずつ息を吐くトレーニングも大事です。

ただ、要注意なのは、内圧をあげすぎてしまうこと。
そうすると声帯が伸びて行きません。

バランス良い声の支えが必要になります。

地声と裏声を交互に出して高音強化

ここまでくると気が付いた方もいるかもしれません。

いろんな音色で安定した
高い声をだしたいなら、
声帯のバランス感覚や運動能力を高めること。

これが非常に良いアプローチになりますが、
その一つとして、地声と裏声を交互に出すのも効果があります。

オクターブで
「ドー(下)ーソ(上)ード(下)ーソ(上)ード(下)ーソ(上)ード(下)」

と何度か繰り返すこと。
だんだん音も上げて行きます。

フニャッとしないように、
上の音がファルセットになったら、
下の地声をしっかり出せるよう
身体のバランスを整えて行きます。

これも声帯の伸展能力を活発にしますね。
喉周りに力が入らないようにご注意を。

高い音が出るイメージを掴むコツ

ギターでも三味線でもいいのですが、
弦楽器の弦とヘッドの部分を想像してみて下さい。
(なんならググって画像をチェックして下さいね。》

ギターのヘッドと言われる、
ネックの先端部分にペグというつまみがついていて、
それを回して弦をビンビンに張ると音が高くなりますよね。

でも、そのツマミや弦を手でぐっと抑えていたら、
当然張りを持たせるのが難しくなり、
力技で張りを持たせて長くなろうとします。
それは、弦にもつまみにも負担は大きいですよね。

声でもこれと全く同じことがいえます。

ギターの弦をイメージして、
高い声ってこんなふうにでるんだ、と
ビジュアルから捉えるのもコツの一つです。

とはいえ、声帯の伸展は、
自分でコントロールしようとすると力むので、
あくまで「おまかせする」感覚です。

高い声を出れば良いというわけではない

高い声を歌えることは歌のほんの一部の要素です

歌を歌う人なら誰だって高い声を自在に出すことは憧れです。

でも、高い声が出れば良いというものではありません。
歌には他にも様々な要素があります。

ピッチをよくすること。
音程をクリアにすること。
リズムの点と線を捉えること。
グルーヴを感じること。
フレーズに強弱をつけること。
etc…

高音を発声することは、
数多ある歌の要素のほんの一部。

そこにとらわれ過ぎないのも大事です。

原キーにこだわりすぎない

高い声はその性質上どこまでも出ると言われています。

が、楽器としての差があるのは事実。
小柄で小さめの声帯を持っている方の方が
声帯は薄い傾向にあるようで高い声が出やすいと言われています。

男性のハイトーンボイスの人は
小柄な人が確かに多いし、
逆にアカペラユニットなどでも
一番背が高い人が低音担当ってことが多いです。
もちろん例外はあります。私は身長が154センチないんですが、低音はめちゃ出ます。下のCくらいいけます。

トレーニング次第でかなり音域の上限は上がりますが、
そういったことからもこだわり過ぎない視点は大事です。

自分がライブなどで歌う曲、
またカラオケで歌いたい曲が
どうしても高くて無理しちゃうなら
キーを下げることをお勧めします。

練習として原曲キーで歌ってみるのもありですが、
無理して喉周りに力を入れるくらいならやめておいた方が無難。

少しずつ発声トレーニングなどを試み、
焦らず取り組んで行きましょう。

高音を制すれば・・・

ここまできたらわかるはず。

高い声はトレーニング次第で
かなり楽にだせるようになります。

が、音楽的な要素としてはほんの一部。
確実に結果がでるものとして
日々取り組みを進めながらも、
焦ったりこだわったりしないことが大切ですね。

それの方が心身の緩みにもつながり
声もきっと出しやすくなるはず。

焦らず腐らず根気よく
そして楽しく進めましょう!

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